「接続済み、インターネットなし」の正体を調べる|WindowsのIPアドレス・DNS・ゲートウェイ診断術

Windowsの「接続済み、インターネットなし」の原因を、IPアドレス・ゲートウェイ・DNS・インターネットの通信経路で診断するイメージ

※ 本ページはプロモーションが含まれています。

WindowsでWi-Fiに接続すると、

接続済み、インターネットなし

と表示されることがあります。

Wi-Fiの電波はつかんでいる。
SSIDにも接続できている。
それなのに、Webサイトが開かない。

この状態になると、

「Wi-Fiが壊れたのかな?」

と思いがちです。

しかし、ここで重要なのは、

「Wi-Fiにつながっていること」と「インターネットにつながっていること」は同じではない

という点です。

Windowsパソコンと無線LANルーターの間は正常でも、その先の通信に問題が起きている場合があります。

そこでこの記事では、Windowsの標準コマンドを使って、

  • IPアドレス
  • サブネットマスク
  • デフォルトゲートウェイ
  • DNS
  • DHCP
  • インターネットへの通信

を順番に確認し、「どこで通信が止まっているのか」を調べる方法を解説します。

目次

「Wi-Fi接続済み」なのに、なぜインターネットが使えないのか?

まず、家庭のネットワークを単純化すると、次のような構造になっています。

パソコン

↓

Wi-Fi

↓

無線LANルーター

↓

ONU・モデムなど

↓

インターネット

つまり、Wi-Fiの接続に成功しただけでは、インターネット通信まで成功したとは限りません。

例えば、

  • パソコンはWi-Fiにつながっている
  • ルーターとも通信できる
  • しかしDNSが正常に動作していない
  • またはルーターから外部へ通信できない

というケースがあります。

Microsoftも「Wi-Fiには接続されているがインターネット接続がない」状態を、ローカルネットワークには接続しているもののインターネットへ接続できない状態として説明しています。

まず覚えたい「4つの住所」

Windowsのネットワーク診断で特に重要なのが、

IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNS

です。

コマンドプロンプトで、

ipconfig /all

と入力すると、これらの情報をまとめて確認できます。

ipconfig は、IPv4・IPv6アドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどのTCP/IP構成情報を表示するWindows標準コマンドです。

① IPアドレス

例えば、

IPv4 Address . . . . . . : 192.168.1.20

のように表示されます。

これは家庭内ネットワークで、そのパソコンを識別するための住所のようなものです。

一般家庭では、

192.168.1.x

や

192.168.0.x

などになっていることがあります。

ここで注目したい異常

もし、

169.254.x.x

となっていたら要注意です。

これは、通常の家庭用ネットワークでルーターからIPアドレスを取得できなかった可能性を示します。

Microsoftも、169.254.x.x のアドレスになっている場合、WindowsがルーターからIPアドレスを取得できていない可能性があるとして、DHCP設定などの確認を案内しています。

つまり、

Wi-Fiの電波はつかんでいるが、ネットワーク上の住所をもらえていない

可能性があります。

② サブネットマスク

例えば、

Subnet Mask . . . . . . : 255.255.255.0

と表示されます。

これは少しマニアックですが、

「どこまでが同じネットワークなのか」

を判断するための情報です。

家庭用ルーターでは、

IPアドレス
192.168.1.20

サブネットマスク
255.255.255.0

という組み合わせがよくあります。

通常のトラブルでは、この値を自分で変更する必要はありません。

むしろ、

「IPアドレスだけでなく、ネットワーク構成全体を見る」

ために確認します。

③ デフォルトゲートウェイ

非常に重要なのがこれです。

例えば、

Default Gateway . . . . : 192.168.1.1

と表示されます。

デフォルトゲートウェイは簡単に言えば、

「このネットワークの外へ出ていくときの出口」

です。

家庭では、多くの場合、無線LANルーターがこの役割を担っています。

イメージすると、

パソコン
192.168.1.20
      ↓
ルーター
192.168.1.1
      ↓
インターネット

です。

したがって、

パソコン → ルーター

の通信ができているかを確認することが重要になります。

④ DNSサーバー

もう一つ重要なのがDNSです。

DNSは、

Webサイトの名前をIPアドレスに変換する仕組み

です。

例えば、

bing.com

のような名前を入力したとき、その名前から通信先のIPアドレスを調べる必要があります。

この名前解決を担当するのがDNSです。

そのため、

インターネットそのものには通信できているのに、DNSだけが正常に動いていない

というトラブルもあります。

この場合、

  • Webサイトが開かない
  • URLを入力してもエラーになる
  • しかしIPアドレスを直接指定すると通信できる

といった現象が起こることがあります。

「接続済み、インターネットなし」を4段階で診断する

ここからが、この記事の本題です。

次の順番で確認すると、原因をかなり絞り込めます。

① IPアドレス
       ↓
② ルーター(ゲートウェイ)
       ↓
③ DNS
       ↓
④ インターネット

この順番がポイントです。

STEP 1 IPアドレスを確認する

まず、

Windowsキー → 「cmd」と検索 → コマンドプロンプト

を開きます。

そして、

ipconfig /all

と入力します。

表示された中から、現在使用しているWi-Fiアダプターを探します。

例えば、

Wireless LAN adapter Wi-Fi:

IPv4 Address . . . . . . : 192.168.1.20
Subnet Mask . . . . . . : 255.255.255.0
Default Gateway . . . . : 192.168.1.1
DNS Servers . . . . . . : 192.168.1.1

のようになっていれば、基本的なネットワーク情報が取得できています。

MicrosoftもDNSクライアントの診断では、ipconfig /all でIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーを確認する方法を示しています。

STEP 2 「169.254.x.x」ならDHCPを疑う

もし、

IPv4 Address : 169.254.XX.XX

となっていたら、

ルーターから正常なIPアドレスを取得できていない

可能性があります。

家庭のネットワークでは、通常DHCPという仕組みを使って、

ルーター
 ↓
IPアドレスを割り当てる
 ↓
Windows PC

という流れで設定情報を取得します。

この場合は、

ipconfig /release

続いて、

ipconfig /renew

を実行します。

Microsoftも、DHCPで構成されたクライアントのIP設定を更新する方法としてipconfig /renewを案内しています。

その後、

ipconfig

を実行して、IPアドレスを再確認します。

STEP 3 ルーターまで通信できるか確認する

次に、

デフォルトゲートウェイ

を確認します。

例えば、

Default Gateway : 192.168.1.1

なら、

ping 192.168.1.1

と入力します。

結果が、

Reply from 192.168.1.1:

のようになれば、

パソコンからルーターまでの通信はできている

と判断できます。

Microsoftも、ルーターのIPアドレスへpingを実行し、応答があればPCとWi-Fiルーター間の接続は成立している可能性が高いと説明しています。

STEP 4 ルーターにpingが通らない場合

例えば、

ping 192.168.1.1

を実行して、

Request timed out.

などになる場合。

この段階では、DNSを疑う前に、

PC ↔ Wi-Fiルーター

の間を調べます。

考えられる原因には、

  • Wi-Fiアダプターの不調
  • 無線LANドライバー
  • ルーター側の不調
  • Wi-Fi電波の問題
  • IP設定の異常
  • セキュリティソフトやVPN
  • ネットワーク構成の問題

などがあります。

つまり、

ルーターまで届いていないのにDNSを変更しても意味がありません。

ここがネットワーク診断の重要なポイントです。

STEP 5 DNSが正常に動いているか調べる

ルーターへのpingが成功したら、次はDNSを調べます。

ここで使うのが、

nslookup

です。

例えば、

nslookup bing.com

と入力します。

正常なら、

Server:
Address:

Non-authoritative answer:
Name:
Addresses:

などの情報が返ってきます。

これは、

「bing.comという名前をIPアドレスに変換できた」

ことを確認するテストです。

MicrosoftもDNSクライアントの診断で、nslookupによる外部ドメイン名の名前解決テストを案内しています。

DNSが原因かどうかを切り分ける

ここで面白いのが、

ping 192.168.1.1

は成功する。

しかし、

nslookup bing.com

が失敗する。

というケースです。

この場合、

Wi-FiそのものではなくDNS周辺に問題がある可能性

が高くなります。

つまり、

PC
 ↓
Wi-Fi
 ↓
ルーター
 ↓
× DNS

という構造です。

この段階になって初めて、DNS設定を詳しく調べる意味があります。

STEP 6 DNSキャッシュをクリアする

DNS関連のトラブルでは、

ipconfig /flushdns

を試すことができます。

実行すると、

DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました。

などのメッセージが表示されます。

WindowsにはDNS情報を一時保存する仕組みがあるため、古い情報や問題のあるキャッシュが影響している場合があります。

MicrosoftもDNSトラブルの対処としてipconfig /flushdnsによるDNSキャッシュのクリアを案内しています。

STEP 7 「IPでは通信できるが、名前では通信できない」を確認する

さらにマニアックに調べるなら、

名前解決とIP通信を分けて考える

ことができます。

例えば、

ping 8.8.8.8

を実行します。

これが成功して、

ping bing.com

が失敗する場合、

インターネットへのIP通信はできているが、名前解決に問題がある

可能性があります。

ただし、pingは相手側の設定やファイアウォールなどによって応答しないこともあります。

したがって、

pingが失敗した=インターネットが完全に切断されている

と決めつけないことが重要です。

Microsoftも、pingにはICMP通信が必要で、ファイアウォールなどによって応答しない場合があると説明しています。

「どこで切れているか」を表にすると分かりやすい

テスト分かること失敗した場合に疑う場所
ipconfig /allIP設定DHCP・アダプター
ping ゲートウェイPC→ルーターWi-Fi・LAN・ルーター
nslookup ドメイン名DNS名前解決DNS
ping 外部IP外部IPへの通信ルーター・回線・ISPなど
ブラウザでWeb閲覧実際のWeb通信DNS・HTTPS・ブラウザ・プロキシなど

この表を頭に入れておくと、

「とりあえずルーターを再起動する」

という闇雲な対応から卒業できます。

状況別に原因を推測する

ケース1:IPアドレスが169.254.x.x

IP
↓
169.254.x.x

疑うもの

  • DHCP
  • Wi-Fiルーター
  • Wi-Fiアダプター
  • ネットワーク設定

まず、

ipconfig /release
ipconfig /renew

を試します。

ケース2:IPは正常だが、ゲートウェイにpingできない

PC
↓
Wi-Fi
↓
× ルーター

疑うもの

  • Wi-Fi接続
  • 無線LANアダプター
  • ルーター
  • ドライバー
  • VPN・セキュリティソフト

この場合、DNS設定を変更するのは優先順位が低いです。

ケース3:ゲートウェイにはpingできるが、DNSが失敗する

PC
↓
ルーター
↓
× DNS

疑うもの

  • DNSサーバー
  • DNS設定
  • DNSキャッシュ
  • ルーターのDNS機能

この場合は、

ipconfig /flushdns

やDNS設定の確認が候補になります。

ケース4:DNSも成功するのにWebが開かない

この場合は、さらに上の層を調べます。

例えば、

  • プロキシ
  • VPN
  • セキュリティソフト
  • ブラウザ
  • HTTPS通信
  • 特定サイト側の障害

などです。

Microsoftも、Wi-Fi接続後にインターネットへ接続できない場合の確認項目としてプロキシ設定などを挙げています。

いきなり「ネットワークのリセット」をしない

Windowsには、

ネットワークのリセット

という強力な機能があります。

しかし、これは最後の手段に近い扱いにしたほうがよいでしょう。

Microsoftも、ネットワークのリセットは他の手順で改善しない場合に試す最後のステップとして案内しています。ネットワークアダプターや設定が削除・再インストールされるため、VPNやHyper-Vなどのネットワーク関連ソフトウェアに再設定が必要になる場合もあります。

つまり、

原因を調べる前にネットワークを全部リセットする

のではなく、

ipconfig
 ↓
ping
 ↓
nslookup
 ↓
原因を絞る
 ↓
必要なら修復

という順番がおすすめです。

最終手段として試すコマンド

どうしても直らない場合、Microsoftが案内しているネットワーク関連コマンドを試す方法があります。

管理者としてコマンドプロンプトを開き、

netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns

などを実行します。

これらはネットワークスタック、IP設定、IPアドレス、DNSキャッシュなどをリセット・更新するためのコマンドです。MicrosoftのWi-Fiトラブルシューティングでも、TCP/IPスタックのリセット、IPアドレスの解放・更新、DNSキャッシュのフラッシュが案内されています。

実行後はPCを再起動して確認します。

「接続済み、インターネットなし」を診断するチェックリスト

最後に、実際の現場で使える形にまとめます。

① Wi-Fiには本当に接続されている?

設定
↓
ネットワークとインターネット
↓
Wi-Fi

SSIDが接続済みか確認。

② IPアドレスを確認

ipconfig /all

確認するもの:

  • IPv4アドレス
  • サブネットマスク
  • デフォルトゲートウェイ
  • DNSサーバー

③ 169.254.x.xではないか?

169.254.x.x

ならDHCP・ルーターなどを疑う。

④ ゲートウェイにping

例えば、

ping 192.168.1.1

ルーターから応答が返るか確認。

⑤ DNSを確認

nslookup bing.com

名前解決できるか確認。

⑥ DNSキャッシュをクリア

ipconfig /flushdns

⑦ 外部IPへの通信を確認

ping 8.8.8.8

ただし、pingの失敗だけで通信不能と断定しない。

⑧ VPN・プロキシを確認

特に、

  • VPNを使っている
  • セキュリティソフトを入れている
  • プロキシを設定している
  • 仮想ネットワークを使っている

場合は確認する。

⑨ 最後にネットワークのリセット

原因を切り分けても改善しない場合に検討します。

まとめ|「Wi-Fiが壊れた」と考える前に、通信経路を分解する

「接続済み、インターネットなし」という表示だけでは、原因は分かりません。

重要なのは、

どこまでは通信できているのか

を調べることです。

基本的には、

① Wi-Fi
   ↓
② IPアドレス
   ↓
③ ルーター(ゲートウェイ)
   ↓
④ DNS
   ↓
⑤ インターネット

という順番で確認します。

特に覚えておきたいのが、

ipconfig /all
ping ゲートウェイ
nslookup ドメイン名
ipconfig /flushdns

の4つです。

これだけでも、単なる「Wi-Fiがつながらない」という問題を、

「IP取得の問題なのか」

「ルーターまで届いていないのか」

「DNSの問題なのか」

「その先のインターネット側なのか」

と分解して考えられるようになります。

Windowsのネットワークトラブルでは、「直す」前に「どこで通信が止まっているか」を調べることが、最も重要な考え方です。